提供商品・サービス群の大きな変化
建設会社の多様な課題に対応するその内容とは?

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提供商品・サービス群の大きな変化
建設会社の多様な課題に対応するその内容とは?

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by builders_user

リコージャパン株式会社
ICT事業本部 スクラム企画センター
業種ソリューション第一企画室
建築・不動産グループ
関野 隆夫 氏 /松本 晃尚 氏/中川 将志 氏

<関野氏プロフィール>
1997年、株式会社リコー入社。入社後、西東京リコー株式会社(現:リコージャパン株式会社 西東京支社)へ配属となり、多摩地区の直売営業を担当。その後、関東近郊の支店にて自社商品の販促を6年ほど担当した後、ユーザーと接する職を自ら希望し、大手企業1社を担当する営業職を14年務める。その後、現職。

<松本氏プロフィール>
2002年、栃木リコー株式会社(現:リコージャパン株式会社 栃木支社)入社。2年目以降は建設業に特化した営業となり、積算システムやCADなどを建設会社へ提案しながら、同時に各地でセミナーや勉強会の講師などを務めた後、2009年に東京配属となり大手建設業を担当。その後、建設業ソリューションパートナーとのアライアンス、販売促進等の職を経て、現職。

<中川氏プロフィール>
2007年、リコーテクノシステムズ株式会社(現:リコージャパン株式会社)入社。コピー機修理のサービス担当からはじまり、システム系のサーバーやルーターのサービス担当、営業支援、財務営業などを経て、現職。入社1年目から多くの建設会社を訪問しているため、建設業に関する知見を多く有する。

リコージャパン株式会社は、リコー製品を中心とした商品とサービスの提供を通じて、企業の経営課題解決や企業価値向上に貢献しています。同社は2017年に大きく経営変革を行い、リコー製品群の組み合わせによる従来の商品・ITサービスの提供のみならず、パートナーIT企業のソフトウェアと自社製品との連携により、新たな価値やソリューションを提供するコンセプトを打ち出しました。

IT導入が急務とされる建設業の課題は何か、その課題解決にはどのようなIT機器やサービスが有効なのか。ユーザー企業と日々接する3人の方々に話をうかがいました。

自社商品とパートナー企業商品との連携こそが
多種多様な建設会社の課題を解決できる唯一の手法

関野:当社(リコージャパン株式会社)は、親会社である株式会社リコーが開発した商品のほか、パートナー企業の商材なども仕入れて顧客に提供して参りましたが、昨今、ユーザーはより安価な商品を選択する傾向にあるため、商品による差別化が難しい時代になっており、ビジネスを継続していく上で、非常に困難な状況でした。

また、建設業は各企業の経営やオペレーションが多様のため、ひとつの商材やサービスでユーザー企業の課題を解決することが難しいという問題がありました。これらの課題を解消するため、当社は2017年4月、リコー製品を中心とした商品に当社ならではサービスを掛け合わせるだけでなく、パートナー企業が開発したソフトウェアとの連携を図ったりしながら、お客様に最適なソリューションを提供する方針に転換しました。このように自社商品に付加価値を加えるかたちで他社と連携すればお互いにメリットが出るためです。

関野氏

リコージャパンの主力商品はリコーのコピー・プリンター・スキャナーなどの機能を備えた複合機で、売上全体の7割近くを占めます。複合機をシンプルに販売するだけでなく、お客様のニーズに合わせてアレンジする取り組みを行っています。

身近な具体例をあげると、不動産業特有の業務である「店頭に貼る物件紹介シートの下帯変更を効率化したい」というリクエストがあります。それに対し、オリジナルのアプリケーションを複合機に追加することで、“帯替え”が完結できるソリューションなどです。2017年11月末にリリースされたサービスですが、お客様からは、好評価をいただいております。

中川:ここに集まった3人(中川氏、松本氏、関野氏)は、複数の商材を組み合わせてお客様に商品・サービスを企画から販売促進まで一気通貫で対応するグループに所属していますが、お客様が抱える無数のお困りごとの中で、何が最も優先順位が高いのか?そのお困りごとに対する最善のソリューションは何か?といった点を考えることがもっとも難しいと感じています。建設業界各社の課題は、業態・業容によって様々あり、それに合わせたパッケージ化を日々企画検討しております。

関野:そこで大事になるのは、お客様への事実を見極めるためのヒアリングの徹底と新しい情報のインプットになります。お困りごとの中身はどういうものか?どうなれば解決したといえるのか?といった情報をお客様とFace to Faceでしっかり聞き出さないと、どのような商材の組み合わせが適しているのかを考える手立てがなくなります。また、情報のインプットでは、イベントなどに積極的に参加してITや建設業界のトレンドをつかむように、日々心がけています。現場に足を運んで知識を得ておくと、多様な商材の組み合わせを提案できるからです。

松本:お客様と話しているうちに「この商品とある商品を組み合わせにすると解決できそうだ」と気づくこともあります。発想力というか、その場でパッケージとして提案するイメージができるかどうかが大事で、そうしたことを日常的に実現できるようにITに関連した知識を増やしてお客様のニーズに応えたいですね。

建設業で求められるITは
一にも二にもユーザーにとってのわかりやすさ

松本:当社が取り扱う分野のひとつに紙データファイルの共有があります。しかし、建設業界は今も紙ベースのドキュメントはそのままだったり、個々人の保存だったりするケースも多く、その価値を理解してもらうのはなかなか難しいのが現状です。カタログや紙の資料配布はもちろんのこと、使用法を動画で紹介するなどしていますが、運用が完全に定着するまでの導入ハードルは高めです。
一方で、ユーザーからの反応が良いのはプロダクト系の製品です。特に使用法がわかりやすい製品は人気が高く、360度の動画カメラ「THETA(シータ)」をホビー感覚で導入したいただいた事例がありますね。

関野:その流れでお話しすると「ANDPAD(アンドパッド )」という施工管理アプリケーションも同じような反応をユーザーから引き出せます。UI(ユーザー・インターフェース:操作画面の見やすさや使いやすさ)が優れているため、機能を説明しやすく、商談時に話が進みやすいのです。

私は建設業を担当して間もないですが、その短い期間ですらANDPADという商品に対する建設会社の興味・関心の高さを実感しています。今年、当社は東京・有楽町で製品・サービスのイベントを開催しましたが、中小企業から大手企業までANDPADに関する問い合わせを数多く頂戴しました。

中川:当社は土木業には強いのですが、建築業に売り込む商材・サービスが少ないことが課題でした。そのぽっかりと空いていたスペースにANDPADが飛び込んできたイメージです。こういうものがあったらいいなと思っていた、ちょうどよいタイミングでリコー商品群と連携できる素晴らしいサービスに出会うことができました。最も大切な使いやすさだけでなく、「施工管理の生産性を上げませんか?」あるいは「円滑なコミュニケーションを取りませんか?」などなど働き方改革に関わる分野まで提案できるのが魅力です。

中川氏

松本:建設会社にIT関連の商品サービスを提案する際に困ることは、商品に触れた瞬間に直感的に理解してもらえないと「もういいや」となってしまうことです。特に複雑なITシステムの場合は、IT技術に詳しいスタッフがいない会社だと難しい状況になりがちです。このため、当社としても出来る限りわかりやすい内外のプロダクトを求めるかたちになります。

先ほど関野からもご案内したように、当社はパートナーの商材とリコー商品を組み合わせて事業範囲を広げていこうというコンセプトに切り替わっています。すでに大手の建設業界内ではある程度普及しているMicrosoftのOne DriveやGoogle Driveといったクラウド系ストレージサービスとの連携を図りながら、活路を見いだしていく必要があります。そのために最も大切なのが、説明書を読まなくても利用できるUI(User Interface)の部分なのです。

建設・土木業界の現状と課題
そして最適なソリューションとは?

松本:建設業が抱える大きな課題のひとつは「勤怠管理」です。現状では、仕事量に対して費用や時間の管理が追いついてない印象があります。なぜかというと、工期を守るのが再優先になるためです。すべての会社がそうだとは言えませんが、人手不足を下請け業者の頑張りでカバーしてきたところもあると思います。

「働き方改革関連法案」は2018年に成立しており、建設業は猶予期間がありますが、それでも2024年3月末までには長時間労働を是正しなくてはなりません。このタイミングまでに労働時間を減らす仕組みを整えておかないと罰則を科せられる可能性があります。

つまり、労働生産性の向上は急務なのです。時間的な猶予はまだまだあるように感じられますが、2024年になってからツールやサービスを導入するのでは到底間に合いません。今から取り組んだとして、社内外の関係者全員がITに慣れるためには1〜2年はかかります。だからこそ、今からIT化に取り組まなければならないのです。

リコージャパンでも、そんな正しい働き方をサポートするためにハードとソフトを組み合わせた「勤怠管理システム」のパッケージを用意しています。建設業の勤怠管理において、特に注目すべきはGPS(全地球測位システム)との連携ではないでしょうか。建設業の社員は、現場をはじめとして外出しているケースがほとんどなので、どこからどこまでが勤務なのかが曖昧になりがちです。そんな状況を正確に把握するためにGPSシステムを使ったシステムは有効になります。

GPSをスマートフォンと連携させ、画面のボタンをタップするだけで起動・終了ができるような仕組みを用意しているため、ITに詳しくなくとも勤怠管理に活用できます。こうした機能を基幹システムと連動させ、給与ソフトに落とし込む、そのようなシステムを活用すれば会社全体の効率化につながるはずです。

松本氏

土木業では、入札物件を落札するための積算システムと安全管理に関するサービスのニーズが高めです。公共工事の入札は、形式が定まっている場合がほとんどなので、その形式をデータとして保存しておき、必要な数値を都度インプットするだけで見積もりを自動計算してくれるようなソリューションは需要が高いです。手作業に比べ、正確性や作業スピードが格段に向上するため、業務効率化に向いています。

また、安全第一の土木業ではリスクアセスメントに関する帳票のほか、技術者証、施工体制台帳などを作成する必要があります。こうした作業を円滑に進めるには、ドキュメントを格納するデータベースを複合機に連携させておくと便利です。

中川:建設業の勤怠管理やセキュリティ需要以外にもアフターフォローやトラブル対応といった分野のニーズも高いと感じています。建設業は各社の経営手法やオペレーションがそれぞれバラバラです。そんな様々な建設会社に効果的な提案を行うためには、一つの商材だけでは難しい。だからこそ、我々のように多様な商材を組み合わせて話を進める必要がでてくると思います。

先ほど「建設業にはわかりやすさ」といった話がありましたが、リコージャパンでも今年度よりビジュアルマーケティング(視覚的にわかりやすいかたちで商品を説明する手法)を取り入れています。新しいことをはじめると社員ひとりひとりのやる業務が増えます。ITサービスを提供するわれわれ自身もIT技術を活用しながら、お客様と接点を効率よく作っていこうとチャレンジしています。

3人が注目するIT技術とは?

中川: 私が注目しているのは「MR」(複合現実。現実世界の形状にデジタル映像を重ね合わせることができるデバイス)です。入社前にウェブデザインの専門学校で学んだ経験があったため、画像系のITへの関心は高いんです。一般家庭用のプロダクトが発売されたら是非とも購入したいですね。

松本:私が注目しているIT技術は、コンシューマー向けのロボットです。部屋を掃除してくれたり設定した帰宅時間に合わせて室温を調節してくれたりと有能で、使っている家庭も増えているようなので、この分野がどう進化するのか興味があります。私が使っているのはAmazonのAlexa(アレクサ)で、日用品をAmazon経由で注文するときにとても便利ですよ。

関野:注目するIT技術は自動運転システムです。これが実用化されれば、世界の運転事情が激変するでしょう。自分はあまり運転をしないのですが、自動運転が可能になれば車内をオフィス代わりとして使いたい。疲れたら移動しながら寝ることもできます。そんな新しい時代がすぐ近くまできていると考えるのは本当に楽しいです。

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この記事はBuilders Tech編集部により作成されました。