先駆けて取り入れたIT技術で高成長
スタッフの生産性UPも支えるその工夫とは

先駆けて取り入れたIT技術で高成長
スタッフの生産性UPも支えるその工夫とは

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by builders_user

株式会社ロータリーハウス
代表取締役 増元竜彦 氏

土地選びから設計、施工まで一貫体制でお客様に寄り添い、人を大切にした住まいづくりに取組んできた株式会社ロータリーハウス。創業以来、順調に成長を続け、今年で47期目を迎えています。ITを活用した広報活動が実を結び、集客は好調。しかし、その反動でスタッフあたりの対応件数が増加したため、業務効率化システムである「ANDPAD」を導入し、さらなる業務拡大を目指しています。成長の基礎となったITの活用や今後の課などについて、同社代表取締役社長の増元竜彦氏にお話をうかがいました。

お客様の理想をかなえるオンリーワンの家づくり

ロータリーハウスは、単純に住宅を企画して販売する会社ではありません。お客様との話し合いを重ねながら、お客様のご要望にあわせて1件ずつ住宅をデザインするオンリーワンの家づくりを展開しています。このやり方を実現できるのは、社員の中に一級建築士をはじめとした高い専門性を有したプロフェッショナルが多数在籍しているからです。お客様対応の主軸に建築士を置き、その周囲に営業担当やコーディネーター、事務職員などを配するチームを複数つくって有機的に動かしていく、そんな体制が今後の理想です。
我々が事業を展開している香川県には「自分たちの思い描いたデザインで家を建てたい」と考えるこだわり派の人が多いと思います。そんな皆様の期待に応えようと思うと、自然とそんな組織になってしまうのかもしれません。デザイン性が高いだけでなく、お客様のご要望やライフスタイルを十分に考慮した家づくりを行う過程では、情報共有がとても大切になります。多くの図面や展開図などを作成するのは当然ですが、図面だけでは家の内部をイメージしにくいと考えるお客様も当然いらっしゃいます。そこで、ロータリーハウスでは3Dパースの作成やウォークスルー機能を有したソフトウェアで間取りやデザインをお客様が確認できるようにもしています。特に「ウォークスルー」のソフトウェアを用いての提案は、間取りの中をヴァーチャルに歩くような感覚で導線や室内の配色、窓の高さといった細かい点までチェックできるため、お客様にとても好評です。これにより、竣工後に「ああすればよかった。こうしておけばよかった」と双方に反省や後悔をするようなことがとても少なくなりました。当社にとってもデザインの合意に至るプロセスが短くなり、かつお客様にもご満足いただける家づくりを実現できるため、一石二鳥のスタイルと言えます。

広報活動が実を結んで集客が拡大
新規顧客を逃さないために「ANDPAD」を導入

当社の大きな特徴のひとつとして、専任の広報担当者がいることが挙げられます。社員数が30人ほどの建設会社では珍しいことかもしれません。今のようにPCが普及していなかった時代、かなり昔の話になりますが、当社の会長が「不動産・建設業界にもITを活用する時代が来る」とよく話していました。そんな背景もあったため、その当時から私自身もITに注目し、関連の情報を蓄積しはじめていました。そのプロセスの結果として、住宅建設会社のブランド力を高めるためには「インターネットをはじめとするIT技術をフル活用し、SNS等でニュースリリースを積極的に配信することで、知名度を高める」という手法が有効であるという結論に辿り着きました。そして、ホームページ管理なども含めたメディア全般の広報業務を専任で行うスタッフのポジションを設けたというかたちです。それからおよそ10年が経過し、継続してきたITを使った広報活動が花開いている状態です。
当社には年間600組を超えるお客様が来場してくださり、そのうちの約7割は紹介経由でのお客様となります。また、残りの3割の方々がインターネット経由等でご来場されるお客様となるのですが、これ以上インターネット経由でのお客様が増えてしまうと当社が抱える現在のスタッフ数では対応しきれないことになってしまいます。非常に嬉しい悲鳴ではあるのですが(笑)。
先ほどもお話しした通り、当社はひとりひとりのお客様を大切にしています。お客様が増えたからといって、ひとつひとつの打合せや提案の質などを落とすわけにはいきません。
そこで、いま当社が取り組んでいることが2つあります。ひとつはスタッフの採用であり、もうひとつはITを活用した業務の効率化です。家を建てるスケジュールは、お客様によってひとつひとつ異なります。多種多様な案件のプロセスの中で、各スタッフがやるべきことを設定し、その優先順位を考えながら仕事を進めることができれば業務が効率化できるはずです。結果として、新規顧客に対応できる時間も新たにつくりだすこともできるでしょう。そんな期待から導入を決めたのが、建設業界特化の業務効率化システムである「ANDPAD」です。

情報を一元管理可能なシステム
リアルタイムで必要な情報をすべての関係者に

例えば、ANDPADの導入以前、工程表の作成はEXCELで行っていました。顧客管理を行うには別のソフトが必要となり、諸々の入力やデータ作成にも大変な手間がかかります。更には、現場写真データの管理も行わなければならず、災害等の事態に備えてデータのバックアップも必要となります。こうした様々な作業を別々のソフトを使って行うことが大変わずらわしく、なんとかして一元管理ができないものかと悩んでいたのが数年前のことです。
そんな折、とあるきっかけでANDPADの説明会を見つけ、営業部など各部の責任者と共に参加してみました。その説明会後に参加した皆で話しあったところ、非常にシンプルで操作方法もわかりやすいという話や考えていた業務効率化が実現できそうという意見が多数を占めたため、さっそくその導入を決めたという経緯です。ANDPADには優れた特長がたくさんありますが、中でも当社が積極的に活用しているのが「引合粗利機能」です。お客様情報の管理にはじまり、お問い合わせいただいた内容の記録、お客様へのご提案や契約管理、各工事店との連携が必要となる実行予算の管理やオンライン受発注機能にいたるまで非常にスムーズに情報を一元管理でき、社内外にも共有できます。施工の工程がどこまで進んでいるかといった情報も関係スタッフ全員で容易に共有できるため、連絡漏れ等による進行遅延が少なくなり、現場での業務効率も格段に向上しました。

最近では、その中でも「受発注機能」をフル活用しています。この機能を使うことで、お客様と交わした契約内容の金額や粗利の額等に相違がないかを簡単にチェックできます。業者間で行った受発注処理のやり取りまでANDPAD内に落とし込めるため、発注や納品にかかわるトラブルを未然に防ぐことができるようになりました。

当社は「長期優良住宅」仕様の家づくりにも力を入れているため、現場で撮影した写真をその場でANDPADの「日報」機能に添付して情報共有ができるのも非常に有用な仕組みだと思います。さらに、施工時の写真はお客様にも共有できるので、その内容を適時ご確認していただくことで安心して工事を当社に任せていただけます。ANDPAD導入以前、デジカメなどで撮影した大量の写真を各スタッフが帰社後に自社サーバーに保存するという作業が必要でした。また、中には当日中に帰社できず、うっかり保存し忘れてしまうようなこともあったかと思います。それが、現在はスマホさえ持っていれば、それら一連の作業が現場で完結してしまうため、業務効率がとても改善されました。
チャット機能も、使い出したらやめられません。以前は電話やメールでやりとりし、言った言わない、見た見ていないといった不毛なやりとりが多くありましたが、チャットの「OK(確認)ボタン」という機能を使えば、【既読】という情報だけでなく「誰がメッセージの内容を確認していないか?」というところまでしっかりと確認することができます。コミュニケーションの内容も「OKです」「りょうかいです」「本日の業務終わりました」など簡単に済ませられるのも業務時間の短縮につながっているはずです。ANDPADチャットはビジネス用なので、セキュリティ面でも安心なのが心強いですね。

社員や職人の意識を改革するANDPAD
使えば使うほどその面白さは増幅する

ANDPADを使うと、家を一軒建てる際の利益率が明確になるため、現場で働くスタッフや職人のコスト意識も高まっています。残業のあり方にまで影響を及ぼしており、「働き方改革」にも貢献していると実感しています。
一方で、思い返すと大変だったのは導入初期の頃かもしれません。従来のやり方にANDPADを組み合わせ、徐々に移行するという運用だったため、当初はEXCELとANDPADの両方にデータを入力するといった無駄な手間が生じてしまいました。たいへんな時期ではありましたが、これが終われば必ず業務効率化が実現できると信じて突き進むしかありません。そんなわけで、産みの苦しみはありましたが、今となってはその分の元は大きく取り返せたのではないでしょうか。
もちろん、細かい話をすれば課題は残っています。そのひとつは、デザインや仕様の変更を正確かつスピーディーに現場のすべての人間へ伝えることです。「この部分が変更になりました」という情報はチャットで共有できますが、図面に変更点を加えてもスマホの画面は小さくて十分に確認がとれません。ベテランの大工さんなどは「だいたいのことは内容を把握できるけれど、(十分に拡大できず)完璧ではないので不安がある」という話になってしまいます。結果、誰かが図面を持って現場に行き、細かいニュアンスを伝えるということになってしまうこともあります。画面の大きいタブレットを導入すれば解決できるのか、あるいはベテランの大工を含めた職人の方々に慣れていただければ良いのか、そのあたりは早急に解決したいですね。

ひとつ、これからANDPADを導入しようとしている会社の方に簡単なアドバイスができるとすれば、経理担当者がANDPADの仕組みを理解していると、よりスムーズに導入が進むかと思います。当社の場合、導入前にANDPADの説明会に参加したのは営業や設計などの担当でしたが、ここに経理担当者が加わるのがベターです。当初は数値入力などの点で苦労もありましたが、今では「請求書などのやり取りが格段に楽になった」と経理担当も話していますので。ANDPADは使い方に慣れてくると面白くなってきますし、使うほどに業務効率につながるような気づきも生まれ、「こうするともっと良くなる」といった情報交換も社内で活発化します。産みの苦しみを考慮しても使わない手はないと思いますよ。

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この記事はBuilders Tech編集部により作成されました。